末期がん患者は「在宅医療」の方が幸せという現実 年間200人超を看取る名医が語る

公開日: 更新日:

 60代の大腸がん末期の男性の患者さんは全身にがんが転移していた。

 抗がん剤治療のために通院していたが、つらくなり在宅診療に切り替えた。すると患者、家族双方に相手を思いやる心の余裕が生まれ、笑顔が見られるようになったという。

「通院のときは決まった時間に病院に着けるよう必死で食事をさせたり服を着替えさせたり、介護タクシーを呼び、車椅子に載せて通院させることが家族の方には大変な苦労です。それが在宅になれば、通院のための準備もいらず、治療のために待つ必要もない。末期がんの治療ということで医療費でヘルパーさんや訪問看護の人たちの手を借りられるようになり、体力的にも精神的にも金銭的にもずいぶん楽になったと家族の方は喜んでおられました。患者本人も食事量などで薬の量を変えたりすることで通院時より痛みがラクに取れるようになったようです」

 患者からすると、麻薬やステロイドを使う、というとそれだけで自分の人生を諦めさせられているように感じる。

 しかし、在宅診療で苦痛の状態をきめ細かく確認し、それらの薬をうまく利用すれば緩和はもちろん、延命にもつながり人生を有意義に過ごせる。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    ソフトB山川穂高「無神経ぶり」改めて露呈…31試合ぶり本塁打も身内から異論噴出

    ソフトB山川穂高「無神経ぶり」改めて露呈…31試合ぶり本塁打も身内から異論噴出

  2. 2
    小池都知事が“アキバ降臨”も演説ドッチラケ…若者文化アピールに「うそつき!」とヤジ飛ぶ

    小池都知事が“アキバ降臨”も演説ドッチラケ…若者文化アピールに「うそつき!」とヤジ飛ぶ

  3. 3
    ソフトB山川穂高 数字では測れない「4番の価値」…打てない時期もチームの躍進に大貢献

    ソフトB山川穂高 数字では測れない「4番の価値」…打てない時期もチームの躍進に大貢献

  4. 4
    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  5. 5
    ドトールに注がれる「石丸効果」都知事選でヒモ付き隠さず3番手から猛追、株価も爆上がり

    ドトールに注がれる「石丸効果」都知事選でヒモ付き隠さず3番手から猛追、株価も爆上がり

  1. 6
    石丸伸二候補に大逆風…「恫喝」訴訟で2連敗、都知事選後の国政進出シナリオも狂いが

    石丸伸二候補に大逆風…「恫喝」訴訟で2連敗、都知事選後の国政進出シナリオも狂いが

  2. 7
    都知事選最終盤に飛び交う「蓮舫狙い撃ち」の怪情報…永田町に出回る“石丸2位”データの真の狙い

    都知事選最終盤に飛び交う「蓮舫狙い撃ち」の怪情報…永田町に出回る“石丸2位”データの真の狙い

  3. 8
    巨人・桑田真澄二軍監督が「1人4役」大忙し…坂本勇人を感激させた“斬新アドバイス”の中身

    巨人・桑田真澄二軍監督が「1人4役」大忙し…坂本勇人を感激させた“斬新アドバイス”の中身

  4. 9
    中日ポスト立浪は「侍J井端監督vs井上二軍監督」の一騎打ち…周囲の評価は五分五分か

    中日ポスト立浪は「侍J井端監督vs井上二軍監督」の一騎打ち…周囲の評価は五分五分か

  5. 10
    大食いタレント高橋ちなりさん死去…元フードファイターが明かした壮絶な摂食障害告白ブログが話題

    大食いタレント高橋ちなりさん死去…元フードファイターが明かした壮絶な摂食障害告白ブログが話題