10月から先行運用される「電子処方箋」は患者にどんなメリットがあるのか
「電子処方箋のメリットのひとつは、それぞれの患者さんの薬剤情報がクラウド上に保管・蓄積されるところにあります。医師や薬剤師は、複数の医療機関と薬局をまたいでその患者さんが利用した全国の医療機関と薬局の過去3年分の薬剤情報を参照できるようになるため、複数の医療機関からいくつも薬が処方されているような場合でも、重複投薬や、深刻な副作用リスクがある飲み合わせなどをしっかりチェックできるのです。これまでは、過去の薬剤情報が記載されている『お薬手帳』をいくつも作ってバラバラに管理していたり、紛失してしまう患者さんも少なくありませんでした。電子処方箋はそうした場合でもきちんと確認できるため、見逃しや処方ミスを減らせることが期待できます」
また、引っ越しなどでかかりつけの医療機関や薬局がかわっても、クラウド上で管理されている薬剤情報によって簡単にそれまでの治療を引き継げる。仮に災害に見舞われ、カルテやお薬手帳が失われた場合でも、常用している薬を医療者がすぐに把握できるメリットもあるという。
■将来的には完全オンラインで自宅に薬が届くように