常に最高の結果を求めるタイプも「手洗い」で後悔を洗い流せる
「マキシマイザー」タイプは、言うなれば選択した結果に対して、後悔の念が付きまとうわけですから、これをいかに和らげるかもポイントでしょう。
ウィリアム・シェークスピアの戯曲「マクベス」の中で、マクベス夫人はダンカン王を暗殺したあとで罪の意識に駆られ、血の臭いが取れないと手を洗い続けます。この手を洗って罪の意識を洗い流そうとすることを「マクベス効果」などといいますが、米ミシガン大学アナーバー校のリーとシュワルツはこんな実験(2010年)を行っています。
まず、40人の学生に10枚の音楽CDのランクを好みで付けさせます。そのうえで、被験者同士が5位、または6位にランク付けしたCDをプレゼントし合いました。すると被験者の中には、「もう少し順位を上にしておけば」という人もいたそうです。
その後、被験者を手を洗うグループと手を洗わないグループに分け、再度ランク付けをさせてみると、手を洗ったグループはCDを前回と同じランクに付けました。一方、手を洗わなかったグループはプレゼントされたCDを前回のランクより高く付けました。この結果から、手を洗うと過去の決定に対する後悔も洗い流せるのではないかと、リーらは仮説づけています。