“目の梅毒”とはどんな病気なのか…新規感染者1万人超え必至で注目
ところが、2016年調査では、「梅毒関連ブドウ膜炎」として、少なからぬ数の確定診断例が報告された。それ以降、梅毒によるブドウ膜炎は関心を集め、増える傾向にあるとの印象を持つ眼科医が増えているという。
梅毒は大きく3期に分類される。早期顕症の1期はTP感染からしばらくして下疳と呼ばれる潰瘍が陰茎や大陰部、膣、肛門、唇、喉などに1~13週間ほどで現れる時期のこと。その後、下疳が消える。早期顕症2期は潜伏期を経て広い範囲で発疹やリンパ節の腫れがみられるようになる。同時に発熱、疲労感、食欲不振、体重減少などの症状が現れる。晩期は感染から数年から数十年経過して、大動脈など心臓につながる血管に感染して大動脈瘤が生じ、気管などを圧迫して声がかれたり、胸痛や心不全、髄膜炎などを起こす。梅毒の眼症状は1期から3期までのいずれでも起きるとされている。
■眼症状がある患者は意外と多い
「梅毒1期は自覚症状が少ないうえ、自然治癒してしまうので目の梅毒に気づく人はほぼいません。2期になると梅毒によるブドウ膜炎が見つかるようになります」