認知症のひとつピック病の患者が万引を繰り返すのはなぜ?

公開日: 更新日:

 実際に私が診た50代の患者さんに、百貨店内の文房具店で万引をした方がいました。万年筆など高価な商品を取り扱っているので盗難防止の目的で万年筆に紐が取り付けられています。ですが、その方は従業員や他の客がいるにもかかわらず自宅から持参したペンチで紐を切り、万年筆をそのまま持ち帰ろうとポケットにしまいました。あまりにも堂々とした行動に違和感を持った警察官に受診を促され脳の検査を行ったところ、ピック病と診断されました。

 これまで窃盗の前科がなく、50歳を過ぎて急に万引行為を繰り返すようになったら、ピック病の可能性も視野に入れておく必要があります。

 万引を防ぐためにも、本人が外出する際は家族が必ず付き添いましょう。仕事などでそれが難しい場合は、事前に病院でピック病の診断書を1枚書いてもらって数枚コピーしておき、万が一留守中に本人が万引をしてトラブルになっても、警察に診断書を提示すればピック病による症状だと説明できます。また、本人が認知症者であると示すためにも、日頃から腕に「オレンジリング」を着用しておくといいでしょう。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    菊川怜の元夫は会社が業績悪化、株価低迷で離婚とダブルで手痛い状況に…資産は400億円もない?

  2. 2

    粗製乱造のドラマ界は要リストラ!「坂の上の雲」「カムカムエヴリバディ」再放送を見て痛感

  3. 3

    ヤンキース、カブス、パドレスが佐々木朗希の「勝気な生意気根性」に付け入る…代理人はド軍との密約否定

  4. 4

    綾瀬はるか"深田恭子の悲劇"の二の舞か? 高畑充希&岡田将生の電撃婚で"ジェシーとの恋"は…

  5. 5

    斎藤元彦知事ヤバい体質また露呈! SNS戦略めぐる公選法違反「釈明の墓穴」…PR会社タダ働きでも消えない買収疑惑

  1. 6

    渡辺裕之さんにふりかかった「老年性うつ」の正体…死因への影響が報じられる

  2. 7

    水卜ちゃんも神田愛花も、小室瑛莉子も…情報番組MC女子アナ次々ダウンの複雑事情

  3. 8

    《小久保、阿部は納得できるのか》DeNA三浦監督の初受賞で球界最高栄誉「正力賞」に疑問噴出

  4. 9

    菊川怜は資産400億円経営者と7年で離婚…女優が成功者の「トロフィーワイフ」を演じきれない理由 夫婦問題評論家が解説

  5. 10

    火野正平さんが別れても不倫相手に恨まれなかったワケ 口説かれた女優が筆者に語った“納得の言動”