著者のコラム一覧
清水俊彦東京女子医大脳神経外科客員教授

東京女子医大脳神経外科客員教授。「汐留シティセンターセントラルクリニック」の頭痛外来には全国から患者が訪れる。

片頭痛がひどい…50代女性を調べたら大腸がんが見つかった

公開日: 更新日:

 先日取材に来た50代の女性記者さんは、長年片頭痛持ちで月に2~3回は市販の痛み止めを服用していたそうですが、この3~4年は片頭痛が起きる頻度がかなり減ったとのこと。

 これはとてもよくある例で、更年期世代になると生理の影響を受けることが少なくなる。そのため、頭痛が軽減するのです。とはいえ、こんな例もありました。

 私の患者さんで50代の女性ですが、「昨年より明らかに片頭痛がひどいと感じる」とおっしゃるようになったのです。おかしいと思った私はすぐに採血を行いました。

 結果、血液中の鉄分の濃度が通常の半分程度まで低下していることが発覚。このような異常な貧血は婦人科疾患や消化器系疾患が原因となっていることが多いので、即座に腹部CTスキャンを行ったところ、大腸に悪性腫瘍が見つかったのです。

 腫瘍から血液がにじみ出ていたせいで重い貧血となり、このせいで片頭痛もひどくなっていた。いずれにしろ、私に病状を話してくださったおかげですぐに検査ができ、原因を突き止められた。本当によかったと思っています。

 なお、この女性は毎年勤務する会社で健康診断を受けていましたが、その年はコロナ禍で健診を受けなかったそう。健診していればそこで見つかっていたかもしれません。読者のみなさんも1年に1度の健康診断は欠かさず受けていただきたいと思います。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 2

    “氷河期世代”安住紳一郎アナはなぜ炎上を阻止できず? Nキャス「氷河期特集」識者の笑顔に非難の声も

  3. 3

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  4. 4

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  5. 5

    大阪万博の「跡地利用」基本計画は“横文字てんこ盛り”で意味不明…それより赤字対策が先ちゃうか?

  1. 6

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  2. 7

    大谷「二刀流」あと1年での“強制終了”に現実味…圧巻パフォーマンスの代償、2年連続5度目の手術

  3. 8

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ

  4. 9

    野村監督に「不平不満を持っているようにしか見えない」と問い詰められて…

  5. 10

    「今岡、お前か?」 マル秘の “ノムラの考え” が流出すると犯人だと疑われたが…