若い女性の心臓病は遺伝的な冠危険因子がリスクを上昇させる
心臓病は、男性と女性で発症数や症状に差が表れる病気だといわれています。年齢によるホルモンバランスの変化、日常における生活習慣の違いなどが関係していると考えられています。
今年5月にも、米国心臓病学会が発行する国際学術誌「Journal of the American College of Cardiology」で“急性心筋梗塞で入院した若年成人期~中年期の女性は退院後1年間の再入院リスクが高い”という研究結果が報告されています。急性心筋梗塞で入院した18~55歳の患者を対象に、退院後1年間に発生した再入院の原因と時期を男女間で比較したところ、再入院となるリスクは女性のほうが有意に高く、その原因は「冠動脈に関連する有害事象」が最多でした。
同論文の著者は、「比較的若い女性の急性心筋梗塞患者における有害事象のリスクが男性患者よりも高いことは、過去数十年間の先行研究で明らかにされている。本研究の結果はこれを裏付けるもので、心血管治療において依然として見られるこの性差を早急に解消する段階に来ている」とまとめています。