高齢者に対する「エイジズム」がアメリカの医療で問題化
アメリカの医療機関で、高齢者に対するエイジズム(年齢差別)が問題になっています。
日本ではあまりなじみがない言葉かもしれませんが、エイジズムはレイシズム(人種差別)などと共に人権侵害のひとつです。
例えば、高齢者の患者に対し大声で話しかける。高齢者は全員聴覚に問題があると思い込んでいるからです。
また医師は患者ではなくその家族に話しかけ、患者を自由意志がある個人として扱わない。時にはまるで小さな子供のように扱う。症状を訴えると、それは年齢から来るものだと決めつける……。
このようなエイジズムからくる偏見により、適切な治療が受けられないだけでなく、心を傷つけられる場合も少なくないと専門家は指摘します。
その背景には、高齢者を個人ではなく、自分たちとは違う「1つの大きな集団」として見る傾向があります。当然あるべき個人差はそこでは無視されてしまいます。
結果、若い個人と比較して能力や価値が低い、尊厳に値しないと見なされるなど、高齢者は非人間化されていきます。