末期肺がん80代男性「幸せな思い出をつくれた。いつ死んでもいい」
入院中は自力でトイレに行けなかったのに、自宅では伝い歩きですが行けるように。家族だんらんの場である居間のリクライニングチェアに座り、好きな野球を観戦し、これまでの入院生活とは違いイキイキと過ごされるようになりました。
ですがこれは在宅医療を開始した患者さんでは決して珍しいお話ではなく、当初の予後よりも長く過ごされるケースもよくある話です。
本人は「家族の生活の音が聞こえるだけで気持ちが明るくなる。生活に変化があると刺激になって元気になる」とよくおっしゃっていました。
さらにゆっくりと自分の人生を振り返る時間も持つことができたのでしょう。
「正直ここまで元気になれると思っていなかったし幸せな思い出をつくることができたからいつ死んでもよい。もう思い残すことはない」
そうおっしゃるようにもなっていました。
自宅での療養生活を送るある日のこと。それまで数日続いた雨が上がり、久々に晴れた日でした。