本格的に寒くなる前に知っておきたい…冬の「血圧上昇」と「糖尿病」のこと

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 肥満の人は脂肪細胞や神経細胞から分泌される物質や神経細胞の高進により血管が収縮することなどで、より高血圧になりやすい。健康な人ですら冬は血圧が高くなるのだから、糖尿病の人、とくに糖尿病の高齢者はさらに冬の高血圧に注意する必要がある。

「先ほど、血液中のナトリウム濃度が高くなると、その濃度を下げるために血管内に水分を流入させて血液量を増やすと説明しました。血糖が高い糖尿病の人は、塩分ではなく血糖で同じようなことが体内で起こっているのです」

 2つの濃度が異なる水が隣り合わせたときに濃度を一定に保つために水分が移動する力のことを浸透圧という。

「糖尿病の人は血液中に血糖がたっぷり含まれていて血液濃度が高い。一方、血管の周辺の細胞に含まれる水分の濃度は低いため、腎臓や細胞から血管に水分が移動して血液濃度を周辺の細胞の濃度と一定に保とうとします。結果、糖尿病の人は季節に関係なく健康な人に比べて多くの血液が血管を流れていて、血管壁に圧力をかけ続けている状態なのです」


 しかも、糖尿病を長く患っている人は、腎臓の機能が低下して水分やナトリウムの排出がうまくいかず、大量の血液を抱えた、高血圧の状態が恒常化してしまう。

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