既往症・持病持ちの治療(1)心不全を合併する2型糖尿病患者は薬の選択に注意

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 逆に、心不全に有効とされるのはSGLT2阻害薬だ。

「SGLT2阻害薬であるエンパグリフロジンの開発において、その安全性や効果を検証するため、42カ国から7000人の2型糖尿病患者が参加した多施設無作為化比較試験が行われました。そのときの心不全による入院が、エンパグリフロジン群では2.7%に対し、偽薬群は4.1%だったことが報告されています。その後に行われたカナグリフロジン、ダパグリフロジンの心不全死・入院の効果も同じように良い結果が示されたのです」

 なお、日本ではメトホルミンの心不全患者への投与は禁忌とされている。しかし、メトホルミンの心不全に対する有効性を示すデータは蓄積されつつある。今後、議論になる可能性がある。

 心不全の持病を持つ2型糖尿病患者は、心不全治療は循環器科の医師、糖尿病治療は糖尿病専門医に任せるのは当然だが、それぞれの医師に自分が抱える持病をすべて伝え、最良の治療を選んでもらうことが大切だ。

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