(1)心不全を合併する2型糖尿病患者は薬の選択に注意

公開日: 更新日:

 1948年にスタートし、現在も継続している米国の心血管疾患抑制のための大規模疫学調査「フレミングハム研究」によると、糖尿病患者の心不全発症率は、そうでない人に比べて男性で2倍、女性で5倍に上ると報告されている。米国の3大健康保険システムのひとつの加入者を分析したところ、2型糖尿病の患者の心不全リスクは75歳未満で3倍、75~84歳で2倍に上った。

 なぜ、2型糖尿病患者は心不全を起こしやすいのか?

「従来は、合併しやすい高血圧脂質異常症、あるいは喫煙習慣などが心臓の最も太い血管である冠動脈を詰まらせて心筋梗塞を起こし心筋が損傷、心臓の収縮機能が低下して心不全になると考えられていました。しかし、近年の研究で、直近1~2カ月の平均的な血糖を示すHbA1cが上昇すると心不全リスクが上昇することがわかり、心不全のある2型糖尿病には血糖依存性があることがわかったのです。これは心臓の細い血管、つまり毛細血管の内皮細胞障害により、心臓の拡張機能が障害される拡張型心不全が原因と考えられています」


■血糖コントロールを強化すればいいわけじゃない

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    相撲協会の逆鱗に触れた白鵬のメディア工作…イジメ黙認と隠蔽、変わらぬ傲慢ぶりの波紋と今後

  2. 2

    中居正広はテレビ界でも浮いていた?「松本人志×霜月るな」のような“応援団”不在の深刻度

  3. 3

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  4. 4

    《2025年に日本を出ます》…團十郎&占い師「突然ですが占ってもいいですか?」で"意味深トーク"の後味の悪さ

  5. 5

    ヤンキース、カブス、パドレスが佐々木朗希の「勝気な生意気根性」に付け入る…代理人はド軍との密約否定

  1. 6

    中居正広の女性トラブルで元女優・若林志穂さん怒り再燃!大物ミュージシャン「N」に向けられる《私は一歩も引きません》宣言

  2. 7

    結局《何をやってもキムタク》が功を奏した? 中居正広の騒動で最後に笑いそうな木村拓哉と工藤静香

  3. 8

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  4. 9

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  5. 10

    高校サッカーV前橋育英からJ入りゼロのなぜ? 英プレミアの三笘薫が優良モデルケース