つらいからもう点滴はやめて…86歳の男性は穏やかに眠るように旅立っていった
この地域包括支援センターは保健師、社会福祉士、主任ケアマネジャーの資格を持つ専門スタッフが常駐しており、65歳以上の高齢者と高齢者に関わる人であれば、要介護・要支援者にかかわらず、誰でも相談できる医療と介護の相談窓口です。
ここではスタッフがそれぞれの専門性を生かし、相談者の問題や課題に対応します。時に病院や介護施設、福祉事務所への橋渡しもします。地域連携の要ともいえる、いわば高齢者のよろず相談所。現在は全国的にその設置数を増やしつつあります。
この86歳の男性の場合は、入院よりも自宅での療養を希望されていたため、その意向を受けた訪問支援員の連携により、在宅医療が開始されたのでした。
まずは点滴で栄養を補いながら、バイタル(熱、酸素飽和度、血圧、脈)の確認、血液検査など基本的な診療から行いました。しかし数日が経った頃、点滴を入れると足のむくみがひどくなり痛いから点滴はしないで欲しいと言われ、点滴をやめることに。これは実質治療の撤退宣言となるのですが、ご本人は冷静にご自身の状態を理解され納得されているご様子、総合的に考え、私たちは、その言葉に従うことにしました。