人形町今半 髙岡慎一郎社長(2)15歳で「骨肉腫」との診断、片足の切断を宣告される
「人形町今半」社長の髙岡慎一郎は、小中学校は公立に通い、高校は母のすすめもあって、私立・玉川学園高等部に入学した。東京・杉並の自宅から1時間30分かけて通った。
玉川学園はクリスチャンの創始者・小原國芳が、全人教育論とキリスト教に基づく教育を唱え「労作教育」を実施していた。ボンボン育ちの髙岡は人見知りと、内気なところがあったが、玉川学園に入学後、自己主張するようになり“ネアカのびのび”に激変したという。
「玉川学園に入学して最初にカルチャーショックを受けたのは、朝礼の時、全生徒が校庭に集まり、♪空高く野路は遥けし……と、校歌を合唱する様子を見た時です。自然と腹の底から大きな声で歌ってます。公立の学校では声も出さない生徒が多いので考えられないことでした。校風は自由闊達、男女差別は全くなく、平等・対等・オープンで初めのうちは生ぬるく感じられました。重きを置いているのは、労作活動の他に2~3週間実施される年2回の自由研究です。例えば生物の研究や勉強の深掘り、またはロボットやバイオリンなどを作り、発表します。『人生の最も苦しい いやな 辛い 損な場面を真っ先きに微笑を以って担当せよ』という教えを実践するのです。先生は脇役に徹し、生徒が議論してテーマを決め、自発的にやる決まりです」