医師・僧侶の田中雅博さんは娘が強制した検査ですい臓発覚
未承認の抗がん剤に、ヤクルトが開発した「リポソーム化イリノテカン」という、がんにだけリーチして、ほかを傷つけにくい薬があります。欧米ではすでに広く使われていますが、日本では使えません。
日本は新薬の承認が遅れる傾向にあります。これには日本の医療費の安さからくる人手不足と、医師の過重労働のせいで治験が進まないという問題が背景にあります。
同規模の病院で、日本はアメリカの10分の1の職員数です。そのため、日本は新薬の治験までなかなか手が回らない。日本生まれの新薬が、欧米では一般的に使われているのに、日本では使えない。医師として、がん患者として、今の日本の医療に歯がゆさを感じざるを得ません。
3番目の抗がん剤は、吐き気、だるさのほか、発汗、下痢、しびれ感もひどかった。思っていた通りの副作用とはいえ、耐えがたいものでした。
■その時が来るまで「いのちのケア」を伝えていきたい
とはいえ、「ステージⅣbで2年経っている」私が今も講演に行けるのは、抗がん剤のおかげです。