著者のコラム一覧
石原藤樹「北品川藤クリニック」院長

信州大学医学部医学科大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。

会議中のあくびは「真面目に聞こう」とする意思の表れ

公開日: 更新日:

 眠い時や退屈な時には「あくび」が起こります。これ以外に医者がよく遭遇するあくびは、患者さんの血圧が急に下がった時など、具合が本当に悪くなる直前に出るあくびです。体調の悪い時に出るあくびを、「生あくびが出る」というような言い方をすることもあります。

 あくびはなぜ起こるのでしょうか? これは20年くらい前に分かった、比較的新しい知見です。脳の視床下部に「室傍核」という場所があり、そこを刺激するとあくびが出ることから、室傍核があくびを起こしていることが証明されています。あくびを起こす刺激は、覚醒する神経を同時に刺激させることも分かっています。つまり、あくびをすると同時に目が覚めるのです。脳が眠ってはまずいと判断した時に、人間を含む哺乳動物はあくびをして目を覚ますのです。

 退屈な会議や授業などの時にあくびをすると、「真面目に聞け」と怒られることがありますが、実はあくびをするのは目を覚ますためですから、逆に真面目に聞こうとしていることの証しでもあるのです。

 具合の悪い時の生あくびは、脳の血流が低下して危険な状態と判断した時に出す、一つの警告のサインと考えられています。医者はこれを見逃さずに治療を開始しないといけません。同じあくびといってもさまざまで、眠くなくて具合の悪い時に出るあくびには、注意が必要なのです。

【連載】医者も知らない医学の新常識

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    火野正平さんが別れても不倫相手に恨まれなかったワケ 口説かれた女優が筆者に語った“納得の言動”

  2. 2

    【独占告白】火野正平さんと不倫同棲6年 元祖バラドル小鹿みきさんが振り返る「11股伝説と女ったらしの極意」

  3. 3

    立花孝志氏の行為「調査要求」オンライン署名3万6000件に…同氏の次なるターゲットは立憲民主党に

  4. 4

    ヤンキース、カブス、パドレスが佐々木朗希の「勝気な生意気根性」に付け入る…代理人はド軍との密約否定

  5. 5

    眞子さん渡米から4年目で小室圭さんと“電撃里帰り”濃厚? 弟・悠仁さまの成年式出席で懸念されること

  1. 6

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動

  2. 7

    オリ1位・麦谷祐介 暴力被害で高校転校も家族が支えた艱難辛苦 《もう無理》とSOSが来て…

  3. 8

    斎藤元彦知事に公選法違反「買収」疑惑急浮上しSNS大炎上!選挙広報のコンサル会社に「報酬」か

  4. 9

    W杯本番で「背番号10」を着ける森保J戦士は誰?久保建英、堂安律、南野拓実らで競争激化必至

  5. 10

    無教養キムタクまたも露呈…ラジオで「故・西田敏行さんは虹の橋を渡った」と発言し物議