2カ月後の発症も…その「湿布かぶれ」は光線過敏症です
「ケトプロフェン成分を含む湿布薬は整形外科では広く処方される消炎鎮痛薬です。しかし、その成分が肌に残った状態で紫外線を浴びると、赤いぶつぶつができたり、水ぶくれのような皮膚障害を起こすことがあるのです。そのため紫外線が強く肌の露出が多い春から夏にかけては他の湿布薬に替えて、極力出さないようにしているのですが、いまだにこうした副作用を知らずに使っている人は少なくありません」(水井院長)
もちろんケトプロフェン入りの湿布が原因の光線過敏症は子供だけではない。大人でもなるし、その成分が入っていれば市販の湿布薬でも発症する場合もある。
田中恭子さん(仮名、32歳)は7月初旬、行きつけの居酒屋のゴルフコンペに参加した。当日は、元気良くクラブを振った田中さんだったが、翌日両足のふくらはぎの筋肉がパンパンに。ドラッグストアで湿布薬を購入し、自分で処置したところ、1カ月後に今度は両ふくらはぎの皮膚が真っ赤に腫れあがった。「みずの皮フ科医院」(千葉・市川市)の水野優起院長が言う。
「田中さんが購入した湿布もケトプロフェン成分を含む湿布薬でした。薬の説明書にも『はがした後も4週間程度は貼っていた部分を日光に当てないように』と記載されていたのですが、田中さんはそれに気づかずに使用して(光線過敏症のひとつである)光接触皮膚炎を発症したのです」