樹木さんは乳がんの薬物療法を拒否 QOL優先で放射線を選ぶ
そう思わせるのが、術後の対応です。手術後のホルモン療法は基本ですが、希林さんは副作用のつらさから途中で拒絶したと報じられました。その後の転移がんには、いずれも放射線治療を選択されています。
ここでタラ、レバをいうつもりはありません。しかし、乳がんのタイプに応じたホルモン療法や化学療法、抗HER2療法などの薬物療法を完遂すれば、より延命できた可能性はあります。
一連の報道やテレビ映像に触れると、希林さんは、がん治療についてかなり勉強されていたようですから、薬物療法についての知識も蓄積した上で、放射線治療を選択したのかもしれません。
■「仕事は頂いた順に受けます」
訃報後の特集でこんなシーンを目にしました。
「仕事は頂いた順に受けます。選ばない」
「最近は義理の仕事が多くてね、断れないのよ」
仕事が第一だったことがうかがえます。その点を踏まえると、治癒の可能性より副作用の少なさに重きを置いた治療選択も合点がいくでしょう。放射線治療は、生活の質を維持するという意味では有効ですから。