もしもの時のためのインスリン備蓄で生じた思わぬ問題とは
僕が使っているインスリン注射器は1本3ミリリットル入りだ。これを何十回かに分けて体に投与し、おおむね10日前後で1本を使い切ることになる。そしてこれを僕は、実際に必要な量よりもだいぶ多めに処方してもらっている。
1型糖尿病患者にとって、インスリンは何よりも重要なライフラインだ。万が一、外出中に注射器を紛失してしまったら? 何らかの問題が発生して、何カ月も処方を受けられないような事態に立ち至ったら?
当初はそんなことが心配で、少しでも備蓄しておこうという心積もりだったのだが、次第に「多めに処方してもらう」のが習慣になってしまい、気がついたらストックが40本を超えていた。
使用期限はたいてい1、2年先になっているので、無駄になりはしないはずだ。備蓄が多いに越したことはないと思っていたところ、ひとつ問題が発生した。
それまで僕は、食事開始30分前に打つ「速効型」インスリンを使用していたのだが、ある理由で、それを食事直前に打つ「超速効型」に切り替えることになったのだ。