著者のコラム一覧
平山瑞穂小説家

1968年、東京生まれ。立教大学社会学部卒業。2004年「ラス・マンチャス通信」で日本ファンタジーノベル大賞を受賞。糖尿病体験に基づく小説では「シュガーな俺」(06年)がある。

もしもの時のためのインスリン備蓄で生じた思わぬ問題とは

公開日: 更新日:

 僕が使っているインスリン注射器は1本3ミリリットル入りだ。これを何十回かに分けて体に投与し、おおむね10日前後で1本を使い切ることになる。そしてこれを僕は、実際に必要な量よりもだいぶ多めに処方してもらっている。

 1型糖尿病患者にとって、インスリンは何よりも重要なライフラインだ。万が一、外出中に注射器を紛失してしまったら? 何らかの問題が発生して、何カ月も処方を受けられないような事態に立ち至ったら?

 当初はそんなことが心配で、少しでも備蓄しておこうという心積もりだったのだが、次第に「多めに処方してもらう」のが習慣になってしまい、気がついたらストックが40本を超えていた。

 使用期限はたいてい1、2年先になっているので、無駄になりはしないはずだ。備蓄が多いに越したことはないと思っていたところ、ひとつ問題が発生した。

 それまで僕は、食事開始30分前に打つ「速効型」インスリンを使用していたのだが、ある理由で、それを食事直前に打つ「超速効型」に切り替えることになったのだ。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 2

    “氷河期世代”安住紳一郎アナはなぜ炎上を阻止できず? Nキャス「氷河期特集」識者の笑顔に非難の声も

  3. 3

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  4. 4

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  5. 5

    大阪万博の「跡地利用」基本計画は“横文字てんこ盛り”で意味不明…それより赤字対策が先ちゃうか?

  1. 6

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  2. 7

    大谷「二刀流」あと1年での“強制終了”に現実味…圧巻パフォーマンスの代償、2年連続5度目の手術

  3. 8

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ

  4. 9

    野村監督に「不平不満を持っているようにしか見えない」と問い詰められて…

  5. 10

    「今岡、お前か?」 マル秘の “ノムラの考え” が流出すると犯人だと疑われたが…