母方の家系が次々がんに…いつか自分もと覚悟をしていた

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 母は子宮体がんで子宮と卵巣を全摘し、50代後半に胃がん大腸がんが見つかった。そして、その後に膵臓がんです。膵臓がんの手術を受けたのですが、1年も経たないうちに亡くなりました。

「手術でがんを取ったから大丈夫」という認識でしたが、たまたま実家に帰った時、すごくむくんでいた。両親は北海道、私は東京に住んでいたので、母に会うのは半年ぶり。一目で「あれ?」と思うほどでした。その後、母が末期の膵臓がんだと父から打ち明けられたのですが、それを聞いてやっぱり、と思いました。母が亡くなる4カ月ほど前のことです。

 前の胃がん手術で胃を3分の2取っている母は食事が思うように取れないこともあり、まさに骨と皮だけ。でも、腹水で顔や足がパンパンにむくんでいる。亡くなるまで、痛さとの格闘もすごかった。怖がりな母には末期がんと告知していませんでした。だからホスピスにも入っていません。最後の方は、私は父と交代で夜、病院に泊まり込み、母の介護をしていました。母の苦しみを見ているのが本当につらかった。できれば代わってあげたかった。2008年11月に、母は61歳で亡くなるのですが、その時には「私もがんになるな」と確信しており、覚悟のようなものも芽生えていました。がんになるのなら、後悔のない人生を普段から送るようにしよう、と。ただ、母をずっと見ていたので、「痛いのだけは嫌だな」と考えていました。

▽1974年8月生まれ。44歳。北海道出身。モデルとしてCMなどに多数出演。現在は温泉観光実践士協会理事、温泉ソムリエアンバサダーも務める。

【連載】「がん家系」に生まれて

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