要注意はビールより紹興酒 「尿酸値」が正常でも痛風に
ビールはプリン体が多いアルコールとして有名ですが、より多いのは紹興酒。プリン体の量に関係なく、すべてのアルコールは体内での尿酸の合成を促進するため、飲み過ぎは禁物です。
空気中に含まれる水蒸気は、温度が高いほど多く、ある温度ごとの水蒸気の限界濃度が飽和濃度です。温度が低下すると、飽和濃度も減ります。窓際では、室内の暖かい空気が外気温で冷やされるため、その差が結露を引き起こすのです。
尿酸も、血液中の飽和濃度が温度で決まっています。食べ過ぎや飲み過ぎで尿酸値が断続的に上昇して飽和濃度を超えると、尿酸結晶が析出し、痛風を起こすのです。
しかし、高尿酸血症だと、みな痛風になるわけではありません。そこに脱水が重なると、より尿酸血症が析出しやすくなります。夏にビールを過飲した人が痛風を起こすのは、発汗と飲酒のダブルパンチのせいです。
足は、体の中心より体温が低い。足の親指に痛風が多発するのは、微妙な温度低下が影響していると考えられます。要は結露発生と同じ仕組みで、尿酸値が正常でも痛風になることがあるのは、そのためです。
尿酸値をチェックするのは、痛風や腎機能の異常などを調べるためですが、まれに利尿薬やぜんそく治療薬のほか、外傷で数値が上昇することもあるのでお忘れなく。
(梅田悦生・赤坂山王クリニック院長)