【急性腎障害】高死亡率…倦怠感、尿量減少、体重減は注意
「AKIと診断するには血液検査で尿素窒素(BUN)、血清クレアチニン(Cr)、カリウム(K)などの数値が高くなっていることを確認しなければなりません。必要に応じて超音波やCT検査で腎臓の腫れを診ます。しかし、病院以外で発症したAKIではそれができません。ですから、病院に来た時には重篤という人が多いのです」
では、病院外でAKIを知るにはどうしたらいいのか?
「AKIの特徴のひとつは『脱水』です。血液の供給の停滞につながり、腎機能障害を起こすからです。風邪やインフルエンザなどの発熱などでも脱水症状を引き起こしますが、中高年は夏場の暑さによる脱水症状にも注意が必要です。加齢で腎機能が低下している上、糖尿病、高血圧、高尿酸血症など腎機能を劣化させる疾患を抱え、これらの治療薬の中にはさらに腎臓に負担をかける薬が含まれているからです」
予防には毎日、体重を量ることだ。1日で2キロ以上減少していて、食欲不振、疲労感などがあれば脱水症状が疑われる。
「ただ、腎機能低下にはむくみのイメージがありますが、AKIではむしろむくみはあまり起きません」
AKIは原因により3つに大別できる。①全身疾患のために腎臓への血流が低下する②腎臓自体に原因がある③腎臓より下部の尿路(尿管・膀胱・尿道)――だ。
「中高年は前立腺肥大によりAKIを発症する③タイプも多い。心当たりがある人は日頃から注意しましょう」