SNS上の地球温暖化ニュースで不安神経症の若者が増えている
9月23日に米ニューヨークで開かれた「国連気候行動サミット」の前に、世界中の若者が集まってもっと厳しい環境規制や有効な地球温暖化対策を訴える抗議デモ「グローバル気候マーチ」が行われました。
動員数は世界150カ国で600万~700万人。ニューヨークでは、主催者発表で25万人が参加したとみられています。その発起人となった16歳のスウェーデン人、グレタ・トゥーンベリさんによる国連での涙ながらの怒りのスピーチも大きな注目を集めました。
以前、EASAC(欧州科学アカデミー)が発表した「地球の気候変動による温度の上昇は、異常気象のみならず人類の健康にも危機をもたらす」という新たなリポートを当コラムでも紹介しましたが、地球温暖化はすでに10代のZ世代の子供たちの心に影響を与え始めています。
ハリケーン、竜巻、水害、地球温暖化により激甚化する気候災害、アマゾン熱帯雨林の火災、北極の氷の崩壊など、マスメディアやネット上のソーシャルメディアなどにあふれるこれらの情報に圧倒され、不安が募り、日常生活にも支障を来すことがある……これをアメリカの著名な心理学雑誌サイコロジー・トゥデイは「エコ不安神経症」と呼びました。正式な精神障害としてはまだ認められていませんが、その症状にはパニック状態、強迫思考、食欲不振や不眠などが見られるといいます。