イグサは薬草として使われていた 「畳」は自然の空気清浄機

公開日: 更新日:

 最近は畳のない家もあるが、その健康効果を侮ってはいけない。北九州市立大学国際環境工学部環境生命工学科の森田洋教授に聞いた。

「畳の材料となるイグサはもともと薬草として使われてきた植物で、抗菌作用、抗炎症作用などが知られています。実際、イグサの粉末を寒天に混ぜて水虫菌を培養しても菌は生えません。素足で動き回る畳部屋は不潔だと思う人もいるかもしれませんが、畳部屋は抗菌作用のおかげで清潔だということです」

 イグサは大腸菌O―157やサルモネラ菌をはじめとする食中毒細菌や、枯草菌などの腐敗細菌に対しての抗菌作用が認められている。

 諸説あるが、イグサの原産地はインド。日本に伝わったのは奈良時代ごろからで、現存する最も古い畳は聖武天皇が寝具として利用していた「御床畳」。当時の畳表は用途も寝具や座具に限られ、天皇や貴族など身分の高い者しか使用できなかった。今のように床一面に畳を敷き詰める風習は室町時代以降で、庶民に広まったのは江戸時代後期からである。

 イグサの断面(写真)は硬い表皮部分と軟らかい灯芯部分から出来ていて、灯芯部分はスポンジのような構造をしている。このため吸湿性に優れ、有害物質にも高い吸着効果があることが知られている。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ダウンタウン浜田雅功の休養でよぎる2023年の「意識障害」報道…「前日のことを全く記憶していない」

  2. 2

    フジテレビ30代アナ永島優美、椿原慶子が辞めて佐々木恭子、西山喜久恵50代アナが居座る深刻

  3. 3

    ダウンタウン浜田雅功が休養でテレビ業界大激震…キー局編成関係者「いずれ番組の打ち切り話が出てくる」

  4. 4

    男性キャディーが人気女子プロ3人と壮絶不倫!文春砲炸裂で関係者は「さらなる写真流出」に戦々恐々

  5. 5

    志村けんさん急逝から5年で豪邸やロールス・ロイスを次々処分も…フジテレビ問題でも際立つ偉大さ

  1. 6

    井上真央ようやくかなった松本潤への“結婚お断り”宣言 これまで否定できなかった苦しい胸中

  2. 7

    志村けんさん急逝から4年で死後トラブルなし…松本人志と比較される女性関係とカネ払い

  3. 8

    【動画あり】イケイケ国民民主党に“パワハラ問題”噴出!女性衆院議員からの罵倒叱責で体調不良に…4人も離党の異常事態

  4. 9

    “現代の遊女”吉原のソープ嬢はNHK大河ドラマ『べらぼう』をどう見ている? 地元は特需に沸く

  5. 10

    日テレ「さよなら帝国劇場」でわかったテレビ軽視…劇場の階段から放送、伴奏は電子ピアノのみ