ワクチン接種と治療法の整備が進み、重症化での入院や死亡が減っている=新型コロナ最前線
「しかし、感染がピークアウトした9月22日時点では、ハイリスクとされている感染者は5人まで減っています。そのため今はリストアップされた時点で入院対象になります。リストアップされていなかった感染者が自宅療養中に症状が進み、飛び込みで受診して入院になるケースを含めても、当院に入院される患者さんは1日に1人か2人程度と減少傾向です。ワクチン接種後の感染者がハイリスク患者としてリストアップされることもありますが、酸素投与は必要とせず寛解されています。一部、ワクチン接種後に感染して隔離目的で入院された方はいましたが、呼吸状態は悪化せず、速やかに退院されていたことを考えても、ワクチンの効果は明らかです」
■抗体カクテル療法も効果大
抗体カクテル療法(ロナプリーブ)の適用条件は、①50歳以上②50歳未満で基礎疾患がある人③酸素投与の必要がない人で、該当する入院患者に実施されている。
「これまで江戸川区内で70人以上にロナプリーブ投与を行い、再入院になった患者さんは1人だけしかいません。それも、退院して数日後に気持ち悪くなったと訴えて再入院となったケースで、肺炎症状が悪化したわけではありません。ロナプリーブは投与してすぐに効果が出るわけではなく長くて5日くらいかけて良くなっていきます。今後は入院ではなく往診でも投与できるような方向に進んでいます。ただし、投与数時間後に酸素飽和度が下がる患者さんが一定数いるので、まだ基本的には入院による投与が中心になるかもしれません」