「ハバナ症候群」は新兵器がもたらす症状なのか? 米外交官らが訴え
すでに米政府の外交活動に支障を来す事態も起きている。
たとえば、8月のハリス副大統領の東南アジア歴訪中、シンガポールからベトナムへの出発が3時間以上遅れた。原因は直前にハノイ駐在の米外交官がハバナ症候群の症状を訴えたからで、副大統領が予定通り訪問するかどうか検討していたからだという。9月のCIA長官のインド訪問では、随行員のひとりが類似の症状を訴えたこともわかっている。
このことについて、音響、あるいは電磁波兵器による意図的な攻撃を疑い、ロシアの関与を推測する見方があるが、決定的な証拠は見つかっていない。
しかし、事態を重く見た米国与野党の上院議員11人が今月13日に「安全保障に対する重大な脅威」として国務長官に書簡を送り、被害者支援や原因特定への取り組みを強化するよう訴えた。バイデン大統領の指示によりCIAは、国際テロ組織対策のベテラン職員を調査チームのトップに任命したという。
■眼球運動にも異常
では、「ハバナ症候群」は医学的には、どのように分析されているのか?