著者のコラム一覧
坂本昌也国際医療福祉大学 医学部教授 国際医療福祉大学 内科部長・地域連携部長

専門は糖尿病治療と心血管内分泌学。1970年、東京都港区生まれ。東京慈恵会医科大学卒。東京大学、千葉大学で心臓の研究を経て、現在では糖尿病患者の予防医学の観点から臨床・基礎研究を続けている。日本糖尿病学会、日本高血圧学会、日本内分泌学会の専門医・指導医・評議員を務める。

「運動習慣」がある人は感染症にかかっても重症化しにくい

公開日: 更新日:

 さらに注目したいのは、運動不足群(年齢60歳以上または臓器移植を受けたことがある人を除く)は、がん糖尿病、循環器疾患、腎臓病、高血圧などの基礎疾患がある人よりも死亡リスクが高かったという点です。また、運動不足の人よりは運動をしている中間群についても、コロナの重症化リスクは抑えられていました。つまり、少しでも体を動かしている人は、感染症で重症化しにくいという結果だったのです。運動による心肺機能の維持が重要と考えられます。

 また、サンパウロ州立大学は、コロナのパンデミックで外出制限が開始された数カ月で、世界中の身体活動量は33.5%低下し、座位行動は28.6%上昇したとの調査結果を出しています。

 加えて、運動ガイドラインで推奨された運動をしていない運動不足の人は40歳以上で57.3%、糖尿病のリスクのある人で57.7%に上り、コロナのパンデミックによる運動不足は糖尿病発症の9.6%、世界の全原因による死亡の12.5%を新たに引き起こすと推定しています。

 この欄でも繰り返し紹介しているように、テレビを見ているときなどにストレッチをする、仕事中30分や1時間ごとに立って少し歩き回る、ランチを少し遠めの店で取るなど、ちょっとしたことでいいので、体を動かそうという意識を持つべきです。その際、「やっていて楽しい」というところまでいかなくても、「つらい」と感じないものを選ぶといいでしょう。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    べた褒めしたベッツが知らない、佐々木朗希"裏の顔”…自己中ぶりにロッテの先輩右腕がブチ切れの過去!

  2. 2

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  3. 3

    巨人今季3度目の同一カード3連敗…次第に強まる二岡ヘッドへの風当たり

  4. 4

    巨人・田中将大“魔改造”は道険しく…他球団スコアラー「明らかに出力不足」「ローテ入りのイメージなし」

  5. 5

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ

  1. 6

    佐々木朗希いったい何様? ロッテ球団スタッフ3人引き抜きメジャー帯同の波紋

  2. 7

    「今岡、お前か?」 マル秘の “ノムラの考え” が流出すると犯人だと疑われたが…

  3. 8

    佐々木朗希を徹底解剖する!掛け値なしの評価は? あまり知られていない私生活は?

  4. 9

    大阪・関西万博の前売り券が売れないのも当然か?「個人情報規約」の放置が異常すぎる

  5. 10

    僕に激昂した闘将・星野監督はトレーナー室のドアを蹴破らんばかりの勢いで入ってきて…