虫歯はチーズで予防できる!WHO報告書で「エビデンスはほぼ確実」
では、なぜチーズは虫歯予防に役立つのか? それに触れる前に、まず虫歯が生じる過程から説明しよう。食事をすると、虫歯の原因菌が食事の糖分を分解して酸を作り出し、歯のカルシウムイオンやリン酸イオンを溶かしていく。これを「脱灰」と呼ぶ。
糖分がなくなると脱灰が停止。次に起こるのが「再石灰化」だ。唾液の中に含まれるカルシウムイオンやリン酸イオンが溶けた部分を修復する。脱灰と再石灰化がスムーズに行われていれば問題ないが、糖類の摂取が多かったり、間食を頻繁に行ったりすると、脱灰が続いて歯に穴が開き、虫歯に至る。
「チーズは、再石灰化を促す働きがあります。チーズを噛むとその刺激で唾液成分が倍増し、カルシウムイオンやリン酸イオンによる修復が進みます。また、唾液には食事で酸性に傾いた口の中を中性に戻す緩衝能があり、虫歯を起こしにくくします。そしてこの緩衝能は、チーズにも備わっています」
■ハードタイプがよりおすすめ
さらにチーズは、原料である生乳から水分を抜いて作られるため、生乳より栄養素が大幅に凝縮されている。結果、生乳にもともと多いカルシウム量がより増え、生乳の3~10倍、リン酸は2~8倍ほど。