著者のコラム一覧
石原藤樹「北品川藤クリニック」院長

信州大学医学部医学科大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。

性差別の次は…「年のせい」と簡単に口にしてはいけない

公開日: 更新日:

 男女を比較するような表現をしてはいけない、というのは最近では常識となりつつある考え方です。

 性別というのは医学的にはもちろん事実として存在しているのですが、性別にまつわる多くの思い込みや、偏見があることが、改めて問題となっているからです。

 性差別と比べると指摘されることがまだ少ないのですが、同様に偏見の原因として問題視されつつあるのが「年齢差別」です。これを「エイジズム」と呼んでいます。

 エイジズムというのは、「高齢者は劣っている」という思い込みのことです。性別の差別が、男性と比べて女性が劣っている、という偏見に結び付きやすいのと同じように、年齢差別では、高齢者は若い人と比べて劣っている、という偏見に結び付きやすいのです。

 今年の米国医師会関連の医学誌に、こうした年齢差別と健康との関係についての、アメリカでの研究結果が報告されています。50~80歳の2000人を超える一般住民に調査をしたところ、9割以上が何らかの年齢差別を毎日経験していて、それが多くあるほど、心身の健康状態が低下していました。

 みなさんは「年は取りたくないものだ」とか、「これだから年寄りは駄目なんだ」というような言い方を簡単に口にしていませんか? それが高齢者の健康を一番害している原因なのかもしれないのです。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    三浦大知に続き「いきものがかり」もチケット売れないと"告白"…有名アーティストでも厳しい現状

  2. 2

    「とんねるず」石橋貴明に“セクハラ”発覚の裏で…相方の木梨憲武からの壮絶“パワハラ”を後輩芸人が暴露

  3. 3

    サザン桑田佳祐の食道がん闘病秘話と今も語り継がれる「いとしのユウコ」伝説

  4. 4

    松嶋菜々子の“黒歴史”が石橋貴明セクハラ発覚で発掘される不憫…「完全にもらい事故」の二次被害

  5. 5

    NiziU再始動の最大戦略は「ビジュ変」…大幅バージョンアップの“逆輸入”和製K-POPで韓国ブレークなるか?

  1. 6

    今思えばゾッとする。僕は下調べせずPL学園に入学し、激しく後悔…寮生活は想像を絶した

  2. 7

    下半身醜聞の川﨑春花に新展開! 突然の復帰発表に《メジャー予選会出場への打算》と痛烈パンチ

  3. 8

    モー娘。「裏アカ」内紛劇でアイドルビジネスの限界露呈か…デジタルネイティブ世代を管理する難しさ

  4. 9

    伸び悩む巨人若手の尻に火をつける“劇薬”の効能…秋広優人は「停滞」、浅野翔吾は「元気なし」

  5. 10

    小松菜奈&見上愛「区別がつかない説」についに終止符!2人の違いは鼻ピアスだった