感染力は“最強”…世界的流行の「はしか」52歳以上は要注意! 国内でも報告相次ぐ
医療ガバナンス研究所理事長の上昌広氏(内科医)はこう言う。
「はしかの潜伏期間は10~12日間。症状は人によってさまざまですが、教科書的に言うと、初期症状は発熱や咳、倦怠感、鼻水など風邪と同じです。いったん熱が下がった後、再び症状が強まり、40度近い熱が出たり、口のなかに白い斑点が出たり、体に赤い発疹が現れたりします。多くは1週間ほどで治り、過度に心配する病気ではありませんが、後遺症の心配もあり、ワクチン接種を勧めます。怖いのは合併症です。1000人に1人の割合で脳炎にかかり、死亡する割合も1000人に1人です。10年後に脳に障害が出るケースもあります」
■唯一の予防法はワクチン接種
はしかは、春から夏にかけて流行することが多い。それだけに、この時期にこれだけの患者が発生すると、5月以降、さらに感染者数が増加する恐れがある。
感染力が強いはしかの唯一の予防法は、ワクチン接種だ。2回接種すれば、免疫獲得率が97~99%以上となり、ほぼ感染を防げる。1回の接種だけでも免疫獲得率は93~95%に達するが、30年ほどで免疫は低下してしまうという。