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中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

今後胃がんは急速に減り、すい臓がんが増える…最新の人口動態統計で占う

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 もう1つは家族歴で、家族に膵臓がんの人がいると、その人数が増えるほどリスクが高い。1人は4.5倍ですが、3人以上だと32倍です。

 3つ目は膵臓の病気がよくありません。慢性膵炎は13.3~16.2倍で、嚢胞があると3.0~22.5倍に上ります。消化液を十二指腸に分泌する膵管に異常があると、6.4倍です。膵臓の異常を軽視してはいけません。

 意外なのは血液型でしょう。米国立がん研究所は医療スタッフ約10万人を8年以上追跡。その結果、O型はA、B、AB型に比べて膵臓がんになりにくいと結論づけました。O型に比べてB型は1.7倍、AB型は1.5倍、A型は1.3倍です。

 膵臓の異常を簡便に見つけるのは、腹部エコー検査です。これらのリスクに当てはまる方は、エコー検査を毎年受けるのが無難でしょう。が、肥満の人などはエコーでは見つけにくい。その場合は、CT検査がよいと思います。MRIで胆嚢や胆管、膵管を調べるMRCPもよいでしょう。MRCPは、被曝のリスクがありません。

 膵炎や家族歴などから高リスクの人は、超音波内視鏡でしょう。胃カメラの先端に装着したエコー装置で膵臓を調べる検査です。膵臓がんの診断に優れた検査法ですが、これも肥満の人には不向き。その点からも、肥満の人はCTやMRIを受けることをお勧めします。

【連載】Dr.中川 がんサバイバーの知恵

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