高身長は「がん」のリスクが高い…身長と病気の関係がわかってきた

公開日: 更新日:

 しかし、なぜ高身長だとがんのリスクが高くなり、循環器疾患のリスクが低くなるのだろうか。医療ガバナンス研究所理事長の上昌広氏(内科医)はこう言う。

「“身長が高い人は、がんのリスクが高い”というのは欧米ではコンセンサスになっています。がんリスクが高くなるメカニズムは、まだ明らかにされていません。ただ、高身長の人ほど発がんに関連する『インスリン様成長因子』(IGF)のレベルが高いことが関係している可能性は考えられます。IGFのレベルが高いと細胞分裂が促され体も大きくなりますが、がん細胞も増殖してしまいます。もっとも、がんになるのはいくつも要因があり、高身長が及ぼす影響は微々たるものでしょう。一方、高身長の人の循環器疾患のリスクが低くなるというのは、高身長の人のリスクが低いのではなく、低身長の人のリスクが高い、ということかも知れません。一般的に低身長の人は、幼少期に低栄養だった可能性があり、血管がもろく、循環器疾患のリスクが高くなるとも考えられます」

 身長と病気との関係について研究が進めば、予防や治療に役立つようになるのではないか。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 2

    “氷河期世代”安住紳一郎アナはなぜ炎上を阻止できず? Nキャス「氷河期特集」識者の笑顔に非難の声も

  3. 3

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  4. 4

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  5. 5

    大阪万博の「跡地利用」基本計画は“横文字てんこ盛り”で意味不明…それより赤字対策が先ちゃうか?

  1. 6

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  2. 7

    大谷「二刀流」あと1年での“強制終了”に現実味…圧巻パフォーマンスの代償、2年連続5度目の手術

  3. 8

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ

  4. 9

    野村監督に「不平不満を持っているようにしか見えない」と問い詰められて…

  5. 10

    「今岡、お前か?」 マル秘の “ノムラの考え” が流出すると犯人だと疑われたが…