(17)「温活」と長寿…なぜ、温泉やサウナは体にいいのか?

公開日: 更新日:

「④タンパク質の恒常性の崩壊は老化を加速させます。例えば、キイロショウジョウバエに終末糖化産物(AGE)などを与えてタンパク質を劣化させると、健康寿命と最大寿命が短縮したことなどが報告されています。逆にタンパク質の恒常性を改善すると老化を遅らせることがわかっています。ヒトのHSP70を実験用マウスの鼻腔内に投与すると、タンパク質分解酵素が活性化して脳内で加齢により増加する細胞内顆粒(リポフスチン)量が下がり、認知機能を向上させ、寿命が延長する効果があったとの報告もあります」

 温泉やサウナといった「温活」は良質なタンパク質を維持する司令塔役であるHSP70を活性化する。こうしたメカニズムによって、老化予防に関わっている可能性がある。

「よく、高齢者は加齢による筋肉量の低下による機能低下(サルコペニア)を防止するために、意識してタンパク質を取るように言われます。それも大切なことですが、人が1日で食べているタンパク質は60~80g程度に過ぎず、体内で1日で合成されるタンパク質は160~200gであること忘れてはいけません。人は自身のタンパク質を分解してリサイクルしているわけで、ある意味、体内でのタンパク質の分解・リサイクルをスムーズに行うことは、食事でどんな栄養素を取り入れるかということと同じくらい重要なのです」

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    “マジシャン”佐々木朗希がド軍ナインから見放される日…「自己チュー」再発には要注意

  2. 2

    石橋貴明のセクハラに芸能界のドンが一喝の過去…フジも「みなさんのおかげです」“保毛尾田保毛男”で一緒に悪ノリ

  3. 3

    佐々木朗希“大幅減速”球速160キロに届かない謎解き…米スカウトはある「変化」を指摘

  4. 4

    ヤクルト村上宗隆 復帰初戦で故障再発は“人災”か…「あれ」が誘発させた可能性

  5. 5

    清原果耶ついにスランプ脱出なるか? 坂口健太郎と“TBS火10”で再タッグ、「おかえりモネ」以来の共演に期待

  1. 6

    松嶋菜々子の“黒歴史”が石橋貴明セクハラ発覚で発掘される不憫…「完全にもらい事故」の二次被害

  2. 7

    「とんねるず」石橋貴明に“セクハラ”発覚の裏で…相方の木梨憲武からの壮絶“パワハラ”を後輩芸人が暴露

  3. 8

    「皐月賞」あなたはもう当たっている! みんな大好き“サイン馬券”をマジメに大考察

  4. 9

    ヤクルト村上宗隆「メジャー430億円契約報道」の笑止…せいぜい「5分の1程度」と専門家

  5. 10

    常勝PL学園を築いた中村監督の野球理論は衝撃的だった…グラブのはめ方まで徹底して甲子園勝率.853