なぜ自宅で過ごすことを決め、理想の最期が「家」なのか…患者に確認する
また、状況がさらに悪くなればヘルパーさんにより生活を整えたり、トイレが難しくなればおむつなどの選択肢もあります。
一見おぼつかなく不安で、在宅での治療は難しいように思われたとしても、本人の望み通りの最期を実現することは可能なのです。
またこんな患者さんもいました。舌がん末期で76歳の男性の方。ご家族は近所に住み働いているため介護は難しいが、金銭面の援助は惜しまないというスタンスでした。
年末年始は遠くからの親戚が患者さんの家に集まり、鍋を囲んだのが楽しかったとおっしゃっていたのが印象的でした。
家族の希望で緩和ケア入院にエントリーし、急性期病院に入院しながら待つことになった時、本人は「もう一度、自宅に帰れたらいいけどねぇ」など病院の医師に言っていたそうです。
待機期間が2週間以上となり、残り少ない時を家族と過ごしたほうが患者さんは幸せだろうと、病院からの提案で当院に連絡があり、入院待ちの期間を自宅で療養し、過ごすことに。患者さんの思いをくんだ病院と、我々在宅医療クリニックとの地域連携により実現した事例です。