アイロボットジャパン 挽野元社長(1)ルンバで知られる家庭用ロボットメーカー
しかし、どちらも2年続けて受験に失敗。結果的には、武蔵工業大学(現・東京都市大学)に入学することになった。
「やっぱり、ここまでうまくいかないとすっかり自信を失い、『次の夢を見つけて頑張ろう』という前向きな気持ちになれず、悶々とした4年間を過ごしました」
当時は、バブル景気の真っただ中。理系の有利さも相まって、研究室推薦でほぼ就職先が決まるという売り手市場にあった。
多くのOBがやって来て、食事をごちそうしたり、工場見学に誘ったりして学生を奪い合った。
しかし、挽野はこの流れに乗ることに疑問を感じて、大学院に進む。
大学院での専攻は超音波工学。その道の大家といわれる担当教授の指導を受けながら、研究に没頭した。
その際に欠かせなかったのが、ヒューレット・パッカード製の自動計測システムだった。
「こんなすごい機械をどうやって作ることができるのだろう」と、俄然、興味が湧いた。