エーザイ(下)レカネマブの売り上げ振るわず株価は低迷…待ち受ける業界再編の大波

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 それだけではない。レケンビは現在、日本、アメリカ、中国で販売を行い、イスラエルでも承認を得ているが、欧州当局からは否定的な見解が示され、承認に黄色信号がともる。

 創業家・内藤家3代目である晴夫CEOの体制では、認知症がんに特化した製薬会社に方向転換をしたことで、売上高を7000億円規模にまで拡大させることに成功した。99年から販売を開始した認知症治療薬のアリセプトの成功が同社の成長を支え、現在では抗がん剤のレンビマがおよそ全体の4割の売り上げを占める稼ぎ頭だ。ところが26年にはレンビマの特許が切れ、アリセプトに代わって「30年代に売上高1兆円」となるはずだったレケンビが振るわない。

■売上高、研究開発費、海外売上高のいずれも6位

 24年3月期の主要製薬企業の数字をランキング化すると、売上高、研究開発費、海外売上高のいずれもエーザイは6位。ハイリスク・ハイリターンの製薬業界で重要な利益率では、エーザイは7.2%で、39.5%でトップの中外製薬に遠く及ばない。

 製薬業界では世界的なメガファーマ化が進行、国内でもアステラス製薬のアイベリック・バイオ買収は8000億円(23年)、武田薬品のニンバス・ラクシュミが5500億円(22年)と、大型買収の動きが広がる。中途半端なエーザイが、いつ業界再編の大波にのまれてもおかしくはない。

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