「薬物依存症」松本俊彦著

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 薬物依存症には「ダメ人間」や「意志が弱い」などネガティブなイメージを抱きがちだが、人が薬物に手を出すのは多くの場合、「つながり」を得るためだという。薬物を使うことによって集団から仲間と見なされたり、大切な人との絆が深まったり、その一時的な効果によって苦手な人づきあいが可能になり、「つながり」を手に入れる。

 しかし、依存性があるため、結果的につながりを破壊してしまう。薬物依存症とは孤立している人が「つながり」を求めた結果、かえって孤立を深めてしまう「孤立の病」だと著者は言う。

 薬物依存症への世の中の誤解を解き、最新の治療法や回復支援の取り組みなどを紹介しながら、医療や社会はどのように向き合うべきかを考察。

(筑摩書房 980円+税)

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