自覚症状なき誤嚥の原因 ラクナ脳梗塞とはどんな疾患か

公開日: 更新日:

■嚥下機能に関係する物質が減少

 一方、不顕性誤嚥は、意外な疾患が背後に隠れている可能性がある。それは、ラクナ脳梗塞だ。

「ラクナ脳梗塞で神経伝達物質ドーパミンの代謝が障害され、舌咽神経などで作られる物質サブスタンスPの量が減少します。サブスタンスPは嚥下機能を左右するので、誤嚥が起こりやすくなるのです」

 ラクナ脳梗塞は、高血圧糖尿病などで進行した動脈硬化によって脳の細い動脈が詰まって生じる。無症候性脳梗塞ともいわれるように、たいていは症状がない。高齢者に脳のMRI検査を行うと、かなりの確率でラクナ脳梗塞が見つかるともいわれている。

「高齢者の不顕性誤嚥対策は、健康で長生きするための重要なポイントになります」

 喉の筋力低下を避けることも重要だが、まずは、生活習慣を改善してラクナ脳梗塞を起こさない。さらに、不顕性誤嚥による“害”を少しでも減らすようにする。

睡眠中に気道に流れ込んだ唾液などが炎症を引き起こすのは、唾液に細菌がたくさん含まれているから。口腔内の清潔を保つことに努めなければなりません」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    相撲協会の逆鱗に触れた白鵬のメディア工作…イジメ黙認と隠蔽、変わらぬ傲慢ぶりの波紋と今後

  2. 2

    中居正広はテレビ界でも浮いていた?「松本人志×霜月るな」のような“応援団”不在の深刻度

  3. 3

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  4. 4

    《2025年に日本を出ます》…團十郎&占い師「突然ですが占ってもいいですか?」で"意味深トーク"の後味の悪さ

  5. 5

    ヤンキース、カブス、パドレスが佐々木朗希の「勝気な生意気根性」に付け入る…代理人はド軍との密約否定

  1. 6

    中居正広の女性トラブルで元女優・若林志穂さん怒り再燃!大物ミュージシャン「N」に向けられる《私は一歩も引きません》宣言

  2. 7

    結局《何をやってもキムタク》が功を奏した? 中居正広の騒動で最後に笑いそうな木村拓哉と工藤静香

  3. 8

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  4. 9

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  5. 10

    高校サッカーV前橋育英からJ入りゼロのなぜ? 英プレミアの三笘薫が優良モデルケース