熱中症だけじゃない 梅雨明けは“W杯脳梗塞”に要注意
「さらに体内の熱を皮膚から放散するために末梢血管が拡張する。その結果、脳や心臓への血流が低下。血流速度が遅くなり血液はうっ滞する。梅雨以降、血栓ができやすい条件がそろうのです」
実際、国立循環器病研究センター(大阪)によると、2008~13年の脳梗塞患者数は3~5月、9~11月、12~2月に対して6~8月が最も多かった。それに加えて今年はサッカーW杯が盛り上がっている。お酒を飲みながらのテレビ観戦はそのリスクをさらに高めることになる。
「お酒には利尿作用があります。汗で水分が少なくなった血液は尿に水分を奪われ、血液の粘着性に拍車がかかります」
■前兆となる症状に注意
ちなみに欧米ではW杯などのサッカーの大きなイベントがあると心筋梗塞が増えるといわれる。
睡眠不足も問題だ。試合による興奮や仕事の疲労と共に自律神経を乱すため、心房細動などの不整脈を招きやすい。
心臓は右心室、右心房、左心室、左心房と4つの部屋に分かれている。心房は血液をためておく場所で、心室は血液を送り出すポンプの役割をする。心房細動は心房を収縮させる電気信号が乱れ、心房が細かく震える病気だ。