重病3つ同時に…シンガー小坂忠さん壮絶闘病から復活まで
「おそらく胆のう炎だと思いますが、もう少し検査をした方がいい」ということで杏林大学病院を紹介され、すぐその足で救急外来に行き、検査をされてそのまま緊急入院でした。その後「ステージ4の大腸がん」だと分かりました。便秘気味だったのは、がんが大腸を塞いでいたせいだとそのとき知りました。
胆のうと大腸の一部を腹腔鏡手術で切除する話が進んでいる中、「念のために」と胃を検査したら胃にもがんが見つかって、開腹手術をすることになってしまいました。
絶飲食がスタートし、水一滴飲めない状態が術後を含め50日間も続きました。栄養は点滴だけ。しかも、体力が落ちないよう高カロリーの栄養を入れるために、心臓近くの静脈までカテーテルを挿入する手術が先に行われました。初回はうまく入らず、やり直しになるアクシデントはありましたが、大きな動揺はありませんでした。
本番の切除手術は10時間。予定を2時間もオーバーしたようです。一番きつかったのは、そこから2週間ぐらいの期間でした。肺に水がたまり、体には管が何本もつながれ、身動きが取れない状態。もちろん、トイレも看護師さんが全部やってくれる。何よりそれが男としては屈辱的で、肉体の痛みより、むしろそっちのほうがつらかった。