元祖「神の手」先輩医師との出会いが新たな挑戦へ駆り立てた
前回、今年から「MICS(ミックス)」と呼ばれる小切開手術に取り組んでいるというお話をしました。これまでは手掛けていなかったのですが、希望する患者さんが増えていることや、多くのデータが蓄積されて正当性が裏付けられてきたことに加え、自分に合った手術道具を選択すれば安全に行えるという手応えを掴みました。
さらに、元祖「神の手」と称される脳神経外科医の福島孝徳先生と3年ほど前にお会いしたことも大きかったといえます。私より13歳も年長の76歳ながら、今も現役として第一線で手術を続けていて、米国を拠点にしながら世界を股に掛けて活躍されているスーパードクターです。
初めてじっくりお話をうかがった際、今でも年間365日、手術をされているうえ、より速く、より完成度の高い手術に磨きをかけるために新しい道具や技術を追求し続けているとおっしゃられていました。
今、自分が到達している領域をしっかり見ながら、自分がその世界でどういう存在であるべきかを真剣に考え、新たなものをつくり出し、さらに先へと進んでいる。福島先生と出会えていなければ、今回、新たな挑戦への最後の一歩を踏み出せなかったかもしれません。