著者のコラム一覧
坂本昌也国際医療福祉大学 医学部教授 国際医療福祉大学 内科部長・地域連携部長

専門は糖尿病治療と心血管内分泌学。1970年、東京都港区生まれ。東京慈恵会医科大学卒。東京大学、千葉大学で心臓の研究を経て、現在では糖尿病患者の予防医学の観点から臨床・基礎研究を続けている。日本糖尿病学会、日本高血圧学会、日本内分泌学会の専門医・指導医・評議員を務める。

「健康のために」取り始めたら逆に体を害してしまった…

公開日: 更新日:

 いずれも研究で報告されていますので、「緑茶が糖尿病心臓病認知症にいいとは言い過ぎで、眉唾もの。信じない方がいい」とは、私も思っていません。ただ、「○○○が糖尿病にいいと聞いたので、それを積極的に取り始めました」ということには、必ずしも賛成できません。

■患者の血糖悪化はたいてい…

 緑茶を例に出したので、それについてお話しすると、緑茶は糖分や塩分が入っている飲み物ではありませんから、普段から好きでよく飲んでいるなら、問題ないでしょう。そういった場合の飲み方は、常識の範囲内の飲み方です。また、砂糖入り缶コーヒーや缶紅茶、ジュースなどを日常的に飲んでいた人が、それらの代わりに緑茶を飲むようにしたというのなら、ぜひその習慣を続けてほしいと思います。

 ところが、「糖尿病にいいから」と緑茶を飲み始める人は、過剰な飲み方に陥りがちです。「夜中、なかなか眠れなくなった」「トイレに行く回数が増えた」「胃の調子が悪い」といった人の話をよくよく聞くと、1日7杯も8杯も緑茶を飲み、しかも寝る前にも緑茶。緑茶は水分ですし、緑茶に含まれるカフェインには利尿作用や覚醒作用、胃液分泌促進作用などがありますから、多量に飲んだり寝る前に飲めば、睡眠やトイレの回数、胃腸に影響を与えます。また場合によってはかえって心臓に負担がかかってしまう時もあります。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    野村監督に「不平不満を持っているようにしか見えない」と問い詰められて…

  2. 2

    「高額療養費」負担引き上げ、患者の“治療諦め”で医療費2270億円削減…厚労省のトンデモ試算にSNS大炎上

  3. 3

    萩原健一(6)美人で細身、しかもボイン…いしだあゆみにはショーケンが好む必須条件が揃っていた

  4. 4

    おすぎの次はマツコ? 視聴者からは以前から指摘も…「膝に座らされて」フジ元アナ長谷川豊氏の恨み節

  5. 5

    “年収2億円以下”マツコ・デラックスが大女優の事務所に電撃移籍? 事務所社長の“使い込み疑惑”にショック

  1. 6

    歪んだ「NHK愛」を育んだ生い立ち…天下のNHKに就職→自慢のキャリア強制終了で逆恨み

  2. 7

    僕に激昂した闘将・星野監督はトレーナー室のドアを蹴破らんばかりの勢いで入ってきて…

  3. 8

    日本にむしろ逆風…卓球王国中国で相次ぐトップ選手の世界ランキング離脱と進む世代交代

  4. 9

    「(来季の去就は)マコト以外は全員白紙や!」星野監督が全員の前で放った言葉を意気に感じた

  5. 10

    迷走するワークマン…プロ向けに回帰も業界では地位低下、業績回復には厳しい道のり