著者のコラム一覧
青島周一勤務薬剤師/「薬剤師のジャーナルクラブ」共同主宰

2004年城西大学薬学部卒。保険薬局勤務を経て12年9月より中野病院(栃木県栃木市)に勤務。“薬剤師によるEBM(科学的エビデンスに基づく医療)スタイル診療支援”の確立を目指し、その実践記録を自身のブログ「薬剤師の地域医療日誌」などに書き留めている。

世界各国の死亡率に新型コロナウイルスが与えた影響は?

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 ある集団において本来想定される死亡者数が、何らかの原因により超過した状態を「超過死亡」と呼びます。「死亡者数の想定外の上昇」と考えれば分かりやすいかもしれません。その要因として、「大規模災害」「戦争」「感染症の流行」などが挙げられます。

 新型コロナウイルス感染症のパンデミック(世界的な流行)も、各国の死亡者数に大きな影響を与えたと推測できます。他方で感染対策の強化は、人々の健康に対する関心や配慮を高め、逆に死亡者数の低下につながる側面もあります。実際のところ、このパンデミックでどれほど超過死亡が発生したのでしょうか。

 新型コロナウイルス感染症による超過死亡を検討した研究論文が、英国医師会誌の電子版に2021年5月19日付で掲載されました。

 この研究では高所得国29カ国における2020年の死亡率データが解析対象となりました。その結果、ニュージーランド、ノルウェー、デンマークを除くすべての国で超過死亡が確認され、その数は約100万人と推定されています。国別の超過死亡は米国が最多で45万8000人、次いで英国8万5400人、イタリア8万9100人と続きます。他方で、ニュージーランドは2500人の減少でした。

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