買い物を楽しんで健康増進 リハビリ成功のカギは「ナッジ」にあり
高齢化が進む先進諸国では、高齢者の身体機能や認知機能の低下が社会問題となっています。そのため、専門家による適切なリハビリ(リハビリテーション)は、高齢者の生活の質を維持・改善する上で重要な役割を担っています。
一方で、運動を継続的に行わなければいけないリハビリは、心身に負荷をかけることもあるでしょう。そのような中、楽しみながらリハビリに参加できる「ショッピングリハビリ」に関する研究論文が、環境科学の国際誌に2022年1月5日付で掲載されました。
この研究では、島根県に在住している高齢者59人(平均86歳)が対象となりました。被験者は自宅から商業施設まで送迎され、6カ月間にわたり月に平均4回のショッピングリハビリを受けています。このリハビリは、買い物を楽しみながら自然に運動ができるように設計され、作業療法士の支援のもと専用のショッピングカートを用いて行われました。被験者はまた、身体機能などに関する25点満点のアンケート調査(点数が高いほど状態が悪化、8点以上は生存率の低下と関連)を受け、点数の変化が比較されています。