感染症の専門家は「ゼロコロナは不可能」となぜ言わないのか

公開日: 更新日:

「私の患者さんで75歳以上、コントロール不良の糖尿病、家族の反対でワクチン未接種の人が新型コロナウイルスに感染しました。しかし、重症化リスクが非常に高いことから、仕事場や日常生活の中での感染予防策を繰り返し伝えたからかはわかりませんが、症状は倦怠感のみで、発熱することも後遺症が残ることもなく軽快されました。新型コロナウイルス感染症発生届にはワクチン接種の回数や重症化のリスク要因となる疾病の有無などを記載する項目があります。情報は収集していますが、それがどこまで分析され、対策に活用されているかはわかりません。驚くのは感染経路に関する記載が令和4年6月30日から求められなくなった点です。以前は飛沫・飛沫核感染、接触感染、その他の項目でした。オミクロン株の主たる感染経路とされているエアロゾル感染、飛沫が落下付着した料理を食べたことでの感染、キスでの感染、実際にあったことですがペットボトルの回し飲みで高校の部活でクラスターが発生した事例などは届け出医が記載する必要があります。しかし、そこまで書く時間はないのでそのあたりの届け出書の改正が必要と考えていました。ところが今回の改正で感染経路を聞く必要がなくなったことで、これでは、どのようにして感染したかがわからず、次なる感染に備えた具体的な感染予防対策の指導もできないことになります。そもそもこれまでも収集した情報を感染予防に役立てる気がなかったのではないか、と疑ってしまいます」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    岡本和真と村上宗隆のメジャー挑戦に“超逆風” 大谷バブルをブチ壊したMLB先輩野手の期待外れ

    岡本和真と村上宗隆のメジャー挑戦に“超逆風” 大谷バブルをブチ壊したMLB先輩野手の期待外れ

  2. 2
    ロッテ佐々木朗希「強硬姿勢」から一転…契約合意の全真相 球団があえて泥を被った本当の理由

    ロッテ佐々木朗希「強硬姿勢」から一転…契約合意の全真相 球団があえて泥を被った本当の理由

  3. 3
    佐々木朗希の今季終了後の「メジャー挑戦」に現実味…海を渡る条件、ロッテ側のスタンスは

    佐々木朗希の今季終了後の「メジャー挑戦」に現実味…海を渡る条件、ロッテ側のスタンスは

  4. 4
    ドトールに注がれる「石丸効果」都知事選でヒモ付き隠さず3番手から猛追、株価も爆上がり

    ドトールに注がれる「石丸効果」都知事選でヒモ付き隠さず3番手から猛追、株価も爆上がり

  5. 5
    「あぶない刑事」100万人突破で分かった…舘ひろし&柴田恭兵“昭和のスター”の凄みと刑事役の人材不足

    「あぶない刑事」100万人突破で分かった…舘ひろし&柴田恭兵“昭和のスター”の凄みと刑事役の人材不足

  1. 6
    ソフトB山川穂高「無神経ぶり」改めて露呈…31試合ぶり本塁打も身内から異論噴出

    ソフトB山川穂高「無神経ぶり」改めて露呈…31試合ぶり本塁打も身内から異論噴出

  2. 7
    石丸伸二候補に大逆風…「恫喝」訴訟で2連敗、都知事選後の国政進出シナリオも狂いが

    石丸伸二候補に大逆風…「恫喝」訴訟で2連敗、都知事選後の国政進出シナリオも狂いが

  3. 8
    蓮舫候補に一発逆転の「神風」は吹くのか…7.7都知事選「一歩リード」の小池知事を猛追

    蓮舫候補に一発逆転の「神風」は吹くのか…7.7都知事選「一歩リード」の小池知事を猛追

  4. 9
    都知事選最終盤に飛び交う「蓮舫狙い撃ち」の怪情報…永田町に出回る“石丸2位”データの真の狙い

    都知事選最終盤に飛び交う「蓮舫狙い撃ち」の怪情報…永田町に出回る“石丸2位”データの真の狙い

  5. 10
    猛チャージ石丸伸二候補に広がる危機感…広島からは「あんなぁ都知事に押し上げちゃいけん」

    猛チャージ石丸伸二候補に広がる危機感…広島からは「あんなぁ都知事に押し上げちゃいけん」