「合わないメガネ」が招く意外な弊害…疲れ目や肩凝りだけではない
ではなぜ、「よくない」とわかっているのに過矯正のメガネを選んでしまうのか?
「近くを見る生活をしていながらも、いまだに遠くを見る能力を示す『遠見視力』信仰があるからです。そのため、メガネを購入する際に『遠くがよく見えるように』作ってしまいがちなのです」
■肩や腕のシビレ、認知症とも関係
メガネの過矯正が引き起こす弊害は眼精疲労だけではない。小中学生らの近視を進行させるリスクも増大させてしまうという。
「ヒトがモノを見るとき、目はカメラのレンズのような働きをする水晶体の厚さを調節してピントを合わせています。この調節に関わっているのが毛様体筋と呼ばれる筋肉です。遠くを見るときは緩み、水晶体を薄くしてピントを合わせます。一方、近くを見るときは収縮して、水晶体を膨らませてピントを合わせます。近視の人は毛様体筋の調整力が弱まっており、正しい位置で焦点を合わせることができません」
近視用メガネは毛様体筋の調整範囲を手助けして遠くのモノも見やすくしてくれる。