高齢者や終末期患者の抗がん剤の飲み方を考える 在宅医療の名医が解説

公開日: 更新日:

 明らかに看取りが近い患者に対しての投薬の是非をすべて医師の判断に委ねるのではなく、生活を一番見ている家族が判断すべき時があると山中医師は言う。

「『薬を中止したから悪くなった』と非難されることを過剰に恐れ、明らかに不必要な薬であっても中止の判断ができない医師もいます。特に、がん末期や老衰の状態では週単位、日単位での状態変化が大きく、薬とは関係なく、自然な経過で病状の悪化があるのですが、その説明を家族にしっかりとできない医師もいるのです」

 その結果、食事も十分に取れない中で、頑張って薬を飲ませようとして「誤嚥肺炎」を引き起こし、患者を苦しめるばかりか、家族との最期の大切な時間を奪ってしまうケースもあるという。

「薬の効果は決して医学的な正しさだけで判断するものではなく、薬は決して我慢をして飲み続けるものではありません。単にその人の病気を治すためだけでもありません。今ある症状を和らげながら、その人の人生を幸せにするものでなくてはいけません」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    演技とイケオジぶりで再ブレーク草彅剛と「10億円マンション売却説」中居正広氏との“絆”

  2. 2

    泉ピン子が終活をやめたワケ「渡る世間は(水原)一平ばかり!」スペシャルインタビュー

  3. 3

    阪神からの戦力外通告「全内幕」…四方八方から《辞めた方が身のためや》と現役続行を反対された

  4. 4

    キムタク一家の妹Kōki,は映画主演の裏で…フルート奏者の姉Cocomiの話題作りと現在

  5. 5

    かんぽ生命×第一生命HD 人生設計に大切な保険を扱う大手2社を比較

  1. 6

    米田哲也が万引きで逮捕!殿堂入りレジェンド350勝投手の悲しい近況…《苦しい生活を送っていたのは確か》

  2. 7

    イスラエルにあなたの年金が流れていく…厚労省「ジェノサイド加担投資」引き揚げ“断固拒否”の不可解

  3. 8

    坂本花織の世界選手権66年ぶり4連覇に立ちはだかる…国際スケート連盟の「反トランプ感情」

  4. 9

    カーリング日本女子が到底真似できない中国の「トンデモ強化策」…世界選手権では明暗クッキリ

  5. 10

    公表された重点施策で露呈…JR東海の株価低迷と時代遅れの収益構造