高齢者や終末期患者の抗がん剤の飲み方を考える 在宅医療の名医が解説

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 明らかに看取りが近い患者に対しての投薬の是非をすべて医師の判断に委ねるのではなく、生活を一番見ている家族が判断すべき時があると山中医師は言う。

「『薬を中止したから悪くなった』と非難されることを過剰に恐れ、明らかに不必要な薬であっても中止の判断ができない医師もいます。特に、がん末期や老衰の状態では週単位、日単位での状態変化が大きく、薬とは関係なく、自然な経過で病状の悪化があるのですが、その説明を家族にしっかりとできない医師もいるのです」

 その結果、食事も十分に取れない中で、頑張って薬を飲ませようとして「誤嚥肺炎」を引き起こし、患者を苦しめるばかりか、家族との最期の大切な時間を奪ってしまうケースもあるという。

「薬の効果は決して医学的な正しさだけで判断するものではなく、薬は決して我慢をして飲み続けるものではありません。単にその人の病気を治すためだけでもありません。今ある症状を和らげながら、その人の人生を幸せにするものでなくてはいけません」

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