コロナ禍で一気に広まった「解熱鎮痛薬」に追加された重大な副作用
■皮膚症状が出たら注意
アセトアミノフェンは、脳の中枢神経や体温調節中枢に作用することで効果を出す。効き目が穏やかで体への負担や副作用も少ないため、子供や妊婦にも処方されている。乳幼児の解熱に使われる座薬もアセトアミノフェンだ。抗炎症作用がほとんどなく、コロナ感染やワクチン接種による発熱に対しても、“安全な解熱剤”として推奨されていた。それが、まれとはいえ最悪なら命の危険がある深刻な副作用が判明したとなると、より慎重かつ適切に使用する心構えが必要になる。
「アセトアミノフェンなら安心安全という思い込みは捨てて、極めてまれとはいえ深刻な副作用が起こるケースもあり得ると知っておくことが大切です。そのうえで、使い始めてから1カ月以内に体に異変が現れたら、すぐに医師や薬剤師に相談してください。薬剤性過敏症症候群と同じように、クスリに対する過敏反応によって起こるスティーブンス・ジョンソン症候群や中毒性表皮壊死融解症でも、最初は発疹などの皮膚症状が出るケースが多いといえます。アセトアミノフェンを使って皮膚症状が出たら、すぐに医療機関を受診しましょう」