突然の頭痛や首痛は…くも膜下出血を招く「椎骨動脈解離」かもしれない
解離性脳動脈瘤によって発症する可能性がある2次障害は次の3つが挙げられる。
【頭痛のみ】亀裂が内膜から中膜まで及んだものの動脈瘤が破裂せず頭痛の症状のみで収まるタイプ。
【脳梗塞】亀裂によって流れ出た血液が内膜と中膜との間に入り込み、血管が狭まり塞がった状態。
【くも膜下出血】亀裂により内膜から流れ出た血液が外膜でとどまらず破裂し、血管外へ出血した状態。
■高血圧の中高年は要注意
くも膜下出血は、脳動脈瘤の破裂とともにバットで殴られたような激しい頭痛の症状が特徴で、致命率は30%と、脳卒中の中でも最も予後が悪い。くも膜下出血を発症させないためにも、「椎骨動脈解離」の予防が大切だ。普段から高血圧で動脈硬化の傾向がある人は特に気を付けたい。
「椎骨動脈解離で当院を受診される患者さんは年間約10人ほどで50~60代の働き盛りの男性が多いです。こうした男性は社会的責任から抱えるストレスが重く、過労で睡眠不足になりがちです。ストレスや睡眠不足は高血圧を招き、椎骨動脈解離を起こしやすくします」