著者のコラム一覧
中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

笑う人と笑わない人は健康力がこれだけ違う 複数の研究も後押し

公開日: 更新日:

 NK細胞は、体内で発生するがん細胞や体に侵入した細菌、ウイルスなどを攻撃し、排除する働きがあります。その数値が上昇したことは、すなわち免疫力がアップしたことです。

 調査では、患者の気分などについてもアンケート。緊張や抑うつ、疲労など6項目すべてで改善し、がんの痛みも軽くなったといいます。「自分はきっとできる」という前向きな気持ちをもたらす効果もみられたそうです。

 もうひとつは、京都医療センターの研究で、2型糖尿病やメタボリックシンドロームの患者222人を対象に1年ごとの追跡調査を実施。1年間の食前血糖値とHbA1cの変化を、笑いの頻度別で比較しました。

 その結果、笑いの頻度が「月に1~3回か、ほとんど笑わない」というグループは数値の改善度が低く、「月に1~5回」「ほぼ毎日」というグループで数値の改善度が高いことが判明。また、ポジティブな心理要因を多く持つ人ほど、HbA1cが低下する傾向がみられたそうです。

 笑いは、インスリンの働きをサポートして糖尿病を改善する働きがある「アディポネクチン」の発現を上昇させることも分かったといいます。

 がん患者さんもそうでない方も、つらい毎日を嘆くのではなく、つらさを笑い飛ばすことを心掛けてください。やっぱり、笑う門には福来たる、です。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    べた褒めしたベッツが知らない、佐々木朗希"裏の顔”…自己中ぶりにロッテの先輩右腕がブチ切れの過去!

  2. 2

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  3. 3

    巨人今季3度目の同一カード3連敗…次第に強まる二岡ヘッドへの風当たり

  4. 4

    巨人・田中将大“魔改造”は道険しく…他球団スコアラー「明らかに出力不足」「ローテ入りのイメージなし」

  5. 5

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ

  1. 6

    佐々木朗希いったい何様? ロッテ球団スタッフ3人引き抜きメジャー帯同の波紋

  2. 7

    「今岡、お前か?」 マル秘の “ノムラの考え” が流出すると犯人だと疑われたが…

  3. 8

    佐々木朗希を徹底解剖する!掛け値なしの評価は? あまり知られていない私生活は?

  4. 9

    大阪・関西万博の前売り券が売れないのも当然か?「個人情報規約」の放置が異常すぎる

  5. 10

    僕に激昂した闘将・星野監督はトレーナー室のドアを蹴破らんばかりの勢いで入ってきて…